写真の基礎

レンズのF値ってなんだ? - 【レンズ選びの基本】F値を解説してみた

2018-11-06

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カメラの性能を表す時に、”F1.8レンズ搭載〇〇〇画素カメラ”という値のPR文句見た事ありませんか?
これは、このカメラには性能の良いレンズを使ってますよーって意味で書かれているんです。でも、そもそもF〇〇って何なのでしょう?

あー、見た事あるある!
DC
小さい値が良いって聞いたことあるけどよく分かんないや…
DC
リチャルド
そうだね、最初はF値ってよく分からないよね。でも、カメラ(レンズ)選びにはとっても重要な指標なんだ
リチャルド
今回は、そんなF値について教えてあげるよ!

という事で、今回は、カメラ初心者から見れば謎の”F値”とはなんぞや?ってことについて書いてみたいと思います。

F値はレンズの明るさの指標

レンズのF値というのは、そのレンズがどれだけの光を集めて通せるのかを示す値です。

ぐぬぬ。。。
DC
リチャルド
ちょっとイメージし辛いかな?^^;

例えば、光が十分な昼の明るさではなく夕暮れ時を考えてみてください。日が沈むにつれてだんだん暗くなっていく、つまり光の量が減っていく状況です。
カメラは、レンズが集めた光を記録する装置なので、光の量が減る、つまり暗い状況になってくると記録する光の量が不足してくるため、苦手にしています。

そんな光量が不足する状況を補うには、カメラに付けるレンズで多くの光の量を集められた方が有利って事になりますよね。

なので、このレンズはどれくらいの光を集められますよっていうレンズの性能を数値化したものがF値になります。F4.0とか、F1.8というように数値で表し、値が小さくなるほど多くの光を集められる優秀なレンズだという事を示します。
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リチャルド
F値のFは、英語の「焦点の」を意味する"Focal"の頭文字から来ています。

なお、レンズに表記されているF値は、そのレンズの最小の絞り値(絞り全開)を指します。当然、絞りを絞って撮影する事も可能です。
絞り機能については、以下の記事で解説しています。

【写真の基本】カメラの絞り機能の役割/使い方について解説するよ!

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読み方

F値の読み方は、そのまま”えふち”と読みます。F1.8やF4は”えふ いってんはち”,"えふよん"というように”えふ〇〇”と読みます。

明るいレンズのメリット/デメリット

F値が小さくなるほどより多くの光を集められる、つまり明るく写す事が可能なので、通称明るいレンズ”と呼びます。この明るいレンズにも良い点と悪い点があるのでまとめてみたいと思います。

リチャルド
明るいレンズに、正確な定義がある訳ではありません。
一眼レフのズームレンズでは最小となるF2.8以下のレンズを指す事が多いです。

 

明るいレンズのココがイイ!

  • 速いシャッタースピードで撮れる
  • 前後のボケ具合が大きくなる

光を多く集められるということは、必要な量を短い時間で集める事ができるとも言い換えられますよね。なので、室内や夕暮れ時など暗いシーンでは明るいレンズほどシャッタースピードが稼げます。
このより速いシャッタースピードで写真が撮れる点が第一のメリットです。

また、F値は、ピントの幅(被写界深度)を決める要素の一つになっています。F値が小さくなるほど前後のボケ具合が大きくなるため、明るいレンズの方が表現に優れます。
ボケ具合の条件については、以下の記事にまとめていますので、こちらを参照してください。

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写真にとって非常に重要なシャッタースピード、絞りという露出の選択肢が増え、撮影できる写真の幅も大幅に広がるので、明るいレンズは撮影面でめちゃくちゃメリットだらけです。

リチャルド
ちなみに、高速なシャッタースピードで撮れる事から明るいレンズの事を”ハイスピードレンズ”や”高速レンズ”と呼ばれたりもします。

 

明るいレンズのココがダメ

  • レンズ自体が大きく重くなる
  • レンズの値段がとても高い

撮影面に関しては良い事しかない明るいレンズですが、デメリットもあります。

まず、単純な話なんですが、物理的にレンズ自体が大きく重くなります。
より多くの光を集めるためにはそれに見合うサイズのレンズが必要となるのでどうしても大きくなります。そして、レンズ自体はガラスの塊なので重量も比例して重くなります。

明るいレンズだとレンズ単体で1Kgオーバーもざらにあります。なので、持ち歩く機材重量が全体的に重く嵩張るのが難点です。

リチャルド
オリンピックなんかのスポーツカメラマン席に並ぶ大砲のようなレンズは、カメラや一脚など含めるとなんと4Kgオーバー!持ち歩くのも大変なんです。。。

 

そして、レンズが大きくなるので、それに合わせて値段もグッと上がります。一枚一枚のレンズもサイズも大きくなりますし、特殊な形状のレンズが含まれる場合もあるので値段は上がります。

なので、明るくて特に高性能なレンズだと10万円オーバーのレンズがゴロゴロあります。まあ、その分の価値と性能があるのは間違いないのですが、初心者の方するとビックリな値段ですね。

リチャルド
超望遠レンズになると、軽自動車買ってもお釣りが来る100万円以上もします。。。デカさも値段もモンスター級ですぅ~

 

レンズ名に付いているF値は、そのレンズの開放F値

レンズのカタログなどでそれぞれのレンズの名前を見てみてください。どこのメーカーのレンズでも名前にF値の表記が付いている事に気づくと思います。これは、そのレンズで絞りが最小となる値、つまり絞りが全開状態の開放F値が記載されています。
なので、レンズ名のF値をみれば、絞り開放状態でどれ位の明るさのレンズなのか一目でがわかるようになっています。

例えば、キヤノンのEF50mm F1.8 STMの場合、開放F値が1.8のレンズである事が分かります。

同じ焦点距離なら、F値の小さいレンズの方が上位クラス

各メーカーのレンズの見ると、同じ焦点距離のレンズでもF値違いのレンズがラインナップされている場合があります。

例えば、キヤノンの場合、同じ50mmレンズでも、F1.8/F1.4/F1.2の3本がラインナップされています。

それぞれのレンズでF値が異なっており、F1.2が最も明るいレンズになります。 撮影する時のF値は、絞り機能によって光量を調節する事ができるので、EF50mm F1.2L USMでは、F1.4やF1.8に絞って撮る事もできます。

逆に、F1.8の50mmレンズは最小値がF1.8なので、F1.4やF1.2では撮れません。

なので、より明るいレンズが上位クラスのレンズという事になり、大は小を兼ねます。

ズームレンズより単焦点レンズの方がF値が小さい

カメラレンズは、1枚のガラスレンズで作られている訳では実はありません。

レンズには、収差という像を映し出す時の各色の光がズレる現象(滲んだりもやっとしたりする感じ)が存在します。この収差は、大きく明るいレンズになるほど影響が大きくなります。
そして、収差を補正して綺麗な写真になるようカメラレンズは複数枚のレンズを組み合わせて作られています。

ズームレンズは、焦点距離が変わる仕組み上、どの焦点距離でも収差を極力抑える必要があるため、単焦点レンズよりもレンズ構造が複雑になっています。このことは明るいレンズを制作する場合に、かなりの重量とコストの増加を招くので明るいレンズを作るのには不向きなのです。

その点、焦点距離が変わらない単焦点レンズの方が構造がシンプルな分、レンズを大きくすることが可能なため、単焦点レンズの方がF値が小さいレンズが作られています。

リチャルド
単焦点レンズは、焦点距離が固定で構造がシンプルなので、ズームレンズよりもレンズの収差を抑える点も優れています。なので、同じ焦点距離であっても単焦点レンズの方が画質面に優れます。

 

ズームレンズでは、F値が可変の場合もあり

ズームレンズを見てもらうと、F値の記載が1つのレンズと2つのレンズがあると思います。これは、ズームに関係なく開放F値が固定されているレンズとズームする事で開放F値が変化するレンズの違いを表しています。

F値が1つしか記載されていないレンズは、ズーム全域で開放F値が固定なので使い勝手がとても優れます。一定の感覚で使えますからね。ただ、その分、レンズ構造が複雑になり値段が高くなるので各社の上位クラスレンズに位置づけされています。

リチャルド
F値が変化しない事から、ニッパチズーム(F2.8ズーム)、F4通しレンズなどの呼ばれ方もします。

 

一方、F値が二つ記載されているレンズは、ズームするに従って開放F値が変化するレンズになります。開放F値で撮影していてズームするとF値が変化してしまい、気づかないうちに露出が変化してしまっているなんて事もあるので少し注意が必要です。こちらは、入門者向けレンズに多く見られるタイプです。

リチャルド
ズームレンズの焦点距離が小さい方が広角側やワイド側、焦点距離が大きい方が望遠側やテレ側と呼ばれます。

 

スマホのカメラは、明るいレンズでもなぜボケないのか?

ここまで読んでもらうと、F値がレンズの明るさを示していてその特徴はお分かり頂けたかなと思います。すると、スマートフォンにもF1.8とかの明るいレンズ搭載とか書かれているのに、写真が全然ボケないじゃないかって気づかれる方もおられるかもしれません。

最後にそんな疑問について説明を続けます。

被写界深度は複数の要素によって複合的に決まる

ズバリ答えを言ってしまうと、レンズの明るさだけでボケ量が決まらないからです。

写真や動画では、ピントが合っている部分のことを被写界深度と言います。この被写界深度が浅い(ピントが合う幅が狭い)ほど、前後のボケ具合が大きくなります。
この被写界深度は、以下の4つの要素によって複合的に深度が変化します。

ポイント

  •  イメージセンサーサイズ
  •  レンズの焦点距離
  •  レンズのF値
  •  被写体との距離

 

なので、最初の説明にも”F値は、ピントの幅(被写界深度)を決める要素の一つ”と書きました。F値は、被写界深度を決める要素の一つでしかないので、他の条件が同じであればF値が小さいレンズを搭載したカメラの方が被写界深度は薄くなりますが、他の要素が異なる場合には同じF値のレンズであっても写りは全然違うのです。

スマートフォンは、一眼レフよりもかなり小型なイメージセンサーを搭載している点、広角レンズが付いている点という背景がボケない要因があります。なので、例え明るいレンズを搭載していても、他の要素がボケない条件となっているため、スマートフォンでは一眼レフのような写真は撮れないのです。

リチャルド
最新のスマホカメラでは、背景がボケた写真が撮れるポートレートモードを搭載している機種もあります。ただ、これは実際にボケている訳ではなく、主役となる被写体の輪郭を自動検出して主役以外の部分をコンピュータでぼかしたもので、本当にボケている訳ではないので本当の一眼レフ写真に比べるとリアル感が違うかなと思います。

 

写真のボケ具合については、以下の記事で詳しく解説しているのでこちらをご参照ください。

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まとめ

レンズのF値についてつらつらと書いてきましたが、まとめると

当記事のポイント

  • F値は、レンズの明るさを示す指標
  • F値が小さいレンズの事を明るいレンズという
  • 明るいレンズは、ボケが大きく、高速シャッターで撮れる
  • レンズ名のF値は、そのレンズの開放F値
  • F値は、被写界深度を決める要素の一つでしかない

 

といったところでしょうか。

レンズのF値がどういった事を示しているかを理解できれば、同じようなレンズなのになぜ値段や大きさが違うのかが分かってくるので、自分に合ったレンズを選びやすくなるかと思います。キットレンズがどんなものなのか、買ってみたいレンズがあるかなどレンズの仕様がわかりますからね。

 

う~ん、なるほどなー。F値が小さい明るいレンズが良いのかぁ…
DC
リチャルド
あれ?DC?
F1.2レンズでも買っちゃうかー!
DC
リチャルド
ひゃー!だ、だ、だ、大丈夫かい、めっちゃ高いよー

 

お財布にかなり優しくない事が玉に傷なのですが、F値が小さいレンズを持っていると写真表現の幅がグッと広がりとても便利なので、写真の面白味が増すこと間違いナシです!

ちなみに、50mmF1.8の単焦点レンズは各社お手頃な値段帯なのでオススメです。(単焦点レンズにハマるきっかけなるので、通称”撒き餌レンズ”とも言われていますが^^;)

以上、レンズ選びの参考になれば幸いです!

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